ニュースでよく聞く「経団連会長のコメント」というワード。
そもそも経団連って何?何をしている団体なの?
そんな疑問を持っている方はとても多いはずです。
この記事では、経団連のことをちゃんと理解したい方のために目的や歴史などをわかりやすく解説していきます。
経団連は政府の政策に対してアドバイスをする団体
経団連の正式名称は「一般社団法人 日本経済団体連合会」です。
日本を代表する企業などが加盟し、政府の経済、財政、産業、科学技術など幅広い分野における政策論議に参画し、政府の政策に対する意見や提言をおこなう団体です。
また、会員企業に対し「企業行動憲章」の遵守を働きかけ、企業への信頼の確立に努める活動もおこなっています。
現在の会長は住友化学株式会社の代表取締役会長である十倉 雅和氏が務めています。
本部は東京都千代田区大手町にある経団連会館にあります。
経団連の提言や報告に関して興味のある方はこちらからどうぞ。
会員企業は大企業ばかり
2023年4月1日現在、日本の代表的な企業1,512社、製造業やサービス業等の主要な業種別全国団体107団体、地方別経済団体47団体などが会員として加盟しています。
「トヨタ自動車」や「三菱UFJ銀行」から「コナミ」や「カプコン」など一度は聞いたことがある企業はほぼ加盟していると言っても過言ではありません。
よく間違えられる「経済同友会」は「企業の経営者」が対象であるのに対し、経団連の会員は企業や団体が対象である点で異なっています。
経団連はもともと2つの団体だった
経団連はもともと、「経済団体連合会」と「日本経営者団体連盟」という2つの団体でした。
終戦直後に設立された2団体のそれぞれの概要は以下のとおりです。
名称 | 設立 | 目的 | 初代代表 |
経済団体連合会(経団連) | 1946年8月 | 日本経済の再建・復興 | 石川一郎(日本産業協会 会長) |
日本経営者団体連盟(日経連) | 1948年4月 | 適正な労使関係の確立 | 諸井貫一(秩父セメント 社長) |
昭和が終わり平成になると、日本は少子高齢化、個性化、価値観の多様化が進み、労働問題と経済問題とを切り離して取り扱うことは、難しくなりました。
そこで、両団体がこれまで培ってきた経験とネットワークを共有し、政策提言能力と実行力を一層高めることを目的に2002年5月、経済団体連合会と日本経営者団体連盟が統合し、日本経済団体連合会が設立されました。
初代会長はトヨタ自動車の代表取締役会長であり、日本経営者団体連盟の会長でもあった奥田 碩氏が就任しました。
会長は「財界総理」経団連の意見力は絶大
日本経済の有力企業が多く加盟しているため、その利害が社会問題に対する意見に多く反映されています。
また、会員企業の多くは自民党の政治資金団体「国民政治協会」(国政協)へ献金を行い、政界・経済界に大きな影響力を持っていると言えます。
会長は定例記者会見などでさまざまな問題に対し、コメントを求められます。
最近では性加害問題で揺れるジャニーズ事務所に関しても「日本社会全体が真正面から向き合ってこなかったことを反省する必要がある。」とコメントしています。
ちなみに、経団連にはジャニーズ所属のタレントを広告に起用している企業もたくさん加盟しています。
まとめ
- 経団連とは「一般社団法人 日本経済団体連合会」のことで、会員の対象は企業や団体です。
- 経団連は、政府の政策に対する意見や提言をおこなう機関です。
- 現在の会長は、住友化学株式会社の代表取締役会長である十倉 雅和氏です。
- 経団連は経済だけでなく、政治に対しても絶大な影響力を持っています。
あなたの会社は経団連の会員企業でしょうか。
日本の経済をより良い方向へ導いてくれることを願っています。
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